昔と違って実際よほどの特別な才能でもない限り、中卒での就職は皆無といっても過言ではありません。
私は中学までずっといじめられた人生であった記憶が生々しく、通信制高校でもうまくいかないのではないかと考えました。
でもいろいろと調べてみると通信制は全日制とかなり違った学校となっていて、さまざまな理由から全日制に通えなかった人たちがそれでも学びたいと考えて進む場所だとわかったのです。
これなら自分も無理なく勉強ができるかもしれないと、私は期待に胸を膨らませました。
通信制の高校は全日制のようなきつい縛りがなく、校舎へ通学する日も少なかったので負担もほとんどありません。
また家で自習するためのペーパーも、内容などが極端に難しくもなかったので心も楽でした。
学費も学校へ送る文書などの通信費も安いので、金銭的にも非常に助かりました。
しかも全日制が通常3年間で卒業するのと比べ、こちらは4年以上の日数を掛けて卒業を目指すことが可能であるところも気に入りました。
それからさすがに体育の単位を取るためには一定の通学が必要でしたが、それ以外は本当に自分のペース配分で学業の習得を目指せるところも大きな利点だったのです。
このようにさまざまな見地から私は通信制高校への進学を決め、できれば3年間での卒業を目指して同学年の元クラスメートと同じように大学への進学ができればいいなといつしか考えていました。
そうすれば私をいじめていた人たちにも何だか一矢報いることができて、優越感が持てるようなやりがいを感じられるようになっていたからです。